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探索39~41日目

クリフォード戦からアーチさんに異変があったようです。

39日目

40日目

41日目
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探索31日目

雲ひとつない星空を、強い光が横切った。それはきらきらと美しく輝いて、ひとつがふたつに、みっつよっつと砂粒のように砕けていく。一筋の光の尾は長く伸びる。光の粒はどんどん小さく細かくなっていく。それを見上げながら、私はまぶたがじんわりと熱くなるのを感じた。

アルシス「お、渡り星とは珍しい」

アーチ「渡り星、ですか…?」

ひとつ、またひとつ光は星空に吸い込まれるように消えていく。最後の光が消えるまで一瞬たりとも目を離すことはできなかった。それを見届けてから、私は近づいてきた気配を感じ振り返った。

アルシス「昔、どこかの本で読んだことがある。この星の周りを回っている星にも満たない流星物質が、何かの拍子に周回軌道を外れて旅に出るんだ。こんな感じ」

砂の上に小さな小枝で円を描き、その周りに小さな円を、そしてそのひとつから矢印を伸ばした。

アルシス「こういう流星物質は少なくないんだ。この星の重力は気まぐれでね。すぐにこういう迷子を出す」
「流星物質は他の星の重力や軌道に流されながら、大体はどこかにぶつかって消えてしまう。5年、10年、もっとずっと長い間漂流するのもいる。」

空を見上げるともうすっかり光は消えて、またもとの通りの星空が広がっていた。

アルシス「極たまに、あんな風に帰ってくるのもいるんだよ。だから、渡り星って言うんだ」

アーチ「帰ってきて…消えてしまうんですか…」

アルシス「…あの光は「ただいま」だって言われている。僕たちに帰ってきたことを伝えるためにね。長い旅だったろうし、大切に迎えてあげないとなって思うな…」
「あ、夕飯呼びに来たんだった…。早くしないとメディにお椀いっぱい食べさせられてしまうよ」

アルシスが一足先に仲間のもとへと帰っていく。もう一度星空を見上げる。そこにはなくとも、瞼の裏にあの輝かしい光が蘇った。

つづきのおはなし

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探索8日目

:: むかしむかしのおはなし ::

あるところに、とても美しい絵がありました。
絵の作者は不明、どこで描かれたかもわかりません。
その絵は人を惹きつけ、見るものすべてを魅了しました。

ですが、見た人全てが口にする感想は決まって、
「何が描かれていたか思い出せない」

向日葵のように笑う少女の絵だったかも、という人もいれば
悲しみにくれた夕日の絵だったという人もいました。

その絵は長い歴史の中で、次々と持ち主を替え、そのたびに「形」を替えました。

古ぼけた額縁の隅にはこう書かれています。


『私を見つけて、名を呼んで、ここから連れ出して』

つづきのおはなし

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探索5日目

さまざまな色が乗っかったパレットから、青い色の絵の具を掬い取る。
筆に乗ったそれは穂先からたなびく様に放射線を描く。

「いっけぇー!」

アーチが思い切り筆を振りかぶると、まるで生き物のように青い色が歩行雑草めがけて飛んだ。
青は瞬く間に彼を青く塗りつぶした。

「モッサァァァァァァァッ!?」

緑色から真っ青に塗り替えられ、
ほこうざっそう は こんらんしている!

「スカイブルーも、いきます!」

再び穂先から色が零れた。
青い空と同じ色のそれが、歩行雑草の目を直撃した。
ほこうざっそう は ころげまわっている!

「モサー!!!!!!!!!!!!!」

だが困ったことに、この攻撃には致命的な弱点があった。
それは相手へのダメージ性が全くないことであった。

「誰かそこの青いの攻撃よろしくー!」

つづきのおはなし

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探索4日目

遺跡内部といえども相当広いようで、ずっと草むらが続いていた。

ざわざわ

ざわざわ

辺りの草が異様な音をたて始める。
それは明らかに、風が揺らしている音ではない。

「なにか…いる…!」

咄嗟にかばんの中を漁った。
私のかばんには不思議な魔法がかけてあって、絵の具などの画材が好きなだけ入る底なしの異次元空間になっている。
クレヨンから水彩色鉛筆、アクリルガッシュに水筆。
一つひとつ確かめながら、もっともっと奥の方まで手を伸ばす。
何か、武器になりそうなもの…

「これ!」

私が引き抜いたのは、大きな大きな平筆。
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■特注平筆45号(愛称:自由の旗)
大きなキャンバスにダイナミックに絵を描きたいと特別に作ってもらった身の丈ほどもある平筆。
筆先は最高級品の白コリンスキー100%。
絵具の含みに優れ、比類のないほど弾力性としなやかさを有する。
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がさっ

草むらから飛び出してきたのは、全身ヴィリディアンの塊。
目があって、口があって、耳があって、手足があって、二足歩行の。

「な、なにこれえええええええ!!!!」
「モッサァァァァァァァッ!!」

つづきのおはなし

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